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すでに実用段階に入った!
富士通の人工知能「Zinrai」が実現する
"未来のような現在"(前編)

~人を中心に置くAI「Zinrai」が切り拓くビジネスの未来~

7月19日、富士通主催のセミナー「K5 Tech Talk」の第4回が開催された。テーマは富士通の人工知能「Zinrai」だ。Zinraiのコンセプトと特徴、人工知能の技術的なブレイクスルーとなったディープラーニングについての技術的な解説、具体的な活用事例、さらに富士通の人工知能への今後の取り組みなど、幅広いテーマが説明された。前編では、すでに実用段階に入った人工知能の活用事例と、Zinraiの全体像についてレポートする。

富士通株式会社
AIサービス事業本部
AIプラットフォームサービス事業部
シニアマネージャー
今井佳之 氏

富士通株式会社
AI基盤事業本部
ビジネス戦略室
室長
永井浩史 氏

すでに実用段階に入った人工知能! その驚きの活用事例

人工知能(AI)が自動的に人間の顔を認識したり、文章の意味を判断したりする。あるいは、コールセンターで人間と対話したり、弁護士に代わって判例を検索したりする……。AIの活用には、どこか非現実的で"夢物語"のような印象がつきまとう。
しかし、富士通のAI基盤事業本部 ビジネス戦略室 室長 永井浩史 氏は「AIは夢物語ではありません。すでに実用段階に入った技術です」と強調し、富士通が取り組んだいくつかの活用事例を紹介した。その1つが「イノシシとタヌキを区別する」プロジェクトだ。

「ある農家のご要望で、オリの中にイノシシが入ったら扉を閉め、タヌキやアナグマは閉めないで逃がすワナを作りました。イノシシの画像100枚をデータ拡張の技術で1000枚に増やし、約3日間、ディープラーニングの学習を行った結果、人間は区別ができない夜間の映像であってもイノシシだけを正確に認識できるようになりました」(永井氏)

クルマの自動運転に不可欠な画像認識の実験も行われている。クルマに車載カメラを設置して、運転中の映像をリアルタイムに解析する実験だが、永井氏はその認識能力の高さを次のように説明する。

「人間は走行中の映像の中央付近しか見ていませんが、AIはクルマ、バイク、信号機など、映像の端から端まであらゆるものを同時に認識します。その点では、AIは人間の認識能力をすでに超えています。つまり、すでにシンギュラリティ(注1)が起きているのです」(永井氏)

  1. シンギュラリティ(Singularity)。「技術的特異点(Technological Singularity)」とも呼ばれる。人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事のこと。米国の発明家であり実業家でもあるレイ・カーツワイルが2045年にシンギュラリティが起きると予言して話題になった。

その他にも、地中レーダーの反射波のデータをディープラーニングにかけて空洞や埋設物を認識させる例など、10年前であれば「夢物語」や「SF」でしかなかった活用事例が、次々と紹介された。

直方市役所様・高森町役場様「広域鳥獣クラウド実証で深刻な農業被害を低減」

イノシシとタヌキ、アナグマを区別するAI。ディープラーニングによって人間以上の精度で区別できるようになる。

都市監視ソリューション「シティワイド サーベイランス」

自動運転に必要な車載カメラによる周囲環境の認識。その認識能力は、すでに人間を上回っている。

人をサポートし、人とともに成長していくAI富士通の人工知能「Zinrai」

こうした取り組みで培われた技術を集約したのが、富士通の人工知能「Zinrai(ジンライ)」だ。「Zinrai」は、富士通の人工知能のブランド名である。2015年11月に発表され、2017年4月から「Zinrai プラットフォームサービス」としてサービス提供が始まっている。
その名称は「疾風迅雷」を語源とし、そこには「人の判断・行動を"スピーディ"にサポートすることで、企業・社会の変革を"ダイナミック"に実現させる」という想いが込められている。
Zinraiの最も重要なコンセプトについて、富士通 AIサービス事業本部 AIプラットフォームサービス事業部 シニアマネージャー 今井佳之 氏は「中心に人がいることです」と次のように説明する。

「さまざまなところでAIが人の仕事を奪っていくといった指摘がされていますが、富士通が目指すAIは、あくまで人をサポートし、人とともに成長していくAIです。つまり、Human Centric AIなのです」(今井氏)

この考え方を模式化したのが図1だ。図の上が現実の世界、下が仮想的な世界だ。Zinraiは、さまざまなセンシング技術でデータをコンピュータに取り込む。そこで活躍するのが「知覚・認識」の技術だ。画像処理や音声処理、感情や状況を認識する技術によって取り込まれたデータは、次に「知識化」される。これは、人間が目で見たり耳で聞いたりした情報を組み合わせて知識として蓄積するプロセスに相当する。
それを支えるのが、自然言語処理やパターン発見などの技術だ。そして、蓄積した知識を使って人間の「判断」を「支援」し、現実の世界に作用を及ぼしていく。そのサイクルを実現するのが、富士通の人工知能「Zinrai」である。

【図1】人をサポートし、人とともに成長する人工知能を目指すAI「Zinrai」の考え方

「Zinraiプラットフォームサービス」の3つの特徴

2015年11月の発表以降、富士通はさまざまな顧客の声に耳を傾けてきた。その結果、業種・業界を問わず、多くの企業がAIに高い関心を示し、期待していることが確認できたという。

「AIの適用領域としては、人との自然な対話や画像・音声による高度な判断を行うユーザーエクスペリエンスの分野、匠の技のような高度な技術・経験などのナレッジの活用や継承、異常監視や故障の予兆検知などのアノマリー監視の領域への期待が高いことがわかりました。また、サイバー攻撃検知や自動運転、コールセンターでの自動応答、社会インフラやロジスティクス、フィンテック、ヘルスケアなど、さまざまな活用シーンも浮き彫りになりました」(今井氏)

こうした顧客の意見・要望を取り入れて2017年4月にサービスを開始したのが「Zinraiプラットフォームサービス」だ。これは、「プラットフォーム」という名称からもわかるように、人工知能に関わるさまざまな機能を提供する基盤サービスである。
Zinraiプラットフォームサービスの特徴は、大きく3つある。第一は「基本API」に加えて、業種や業務に必要な機能を組み込んだ「目的別API」を提供していることだ。今井氏は、目的別APIを提供する理由を次のように説明する。

「Zinraiプラットフォームサービス上で、ただAPIを公開しただけでは、お客様にとって使いづらい可能性があると判断しました。そこで、業種や業務ごとに必要なAPIを絞り込み、目的さえはっきりしていれば、すぐにAIを活用していただけるように工夫したのが『目的別API』です」(今井氏)

さらに、「基本API」「目的別API」のAPIサービスに加えて「Zinraiディープラーニング」も提供される。これは、膨大なデータを高速に学習して、画像やテキストなどの認識を行う学習モデルを作成するサービスだ。

【図2】Zinraiプラットフォームサービスとは

第二の特徴がオンプレミスにも対応していることだ。個人情報も含めて、重要なデータをクラウドに上げることに不安を感じる企業は少なくない。こうした企業の要望にこたえるために、オンプレミスでのシステム提供も可能となっている。
第三の特徴が、業界最先端の研究所技術を実装していることだ。今井氏は「富士通は、業界トップレベルの自然言語処理やナレッジ技術を持っています。世界最速クラスのディープラーニング技術に加えて、長年、研究所で培ったこうした最先端の技術を取り込んでいるのが、Zinraiプラットフォームサービスの特徴です」と語る。

コンサルティングからシステム導入、構築、運用までをトータルで支援

人工知能の活用は、まだ始まったばかりだ。人工知能の技術そのものも、今後、急速に進化する。できることも飛躍的に拡大し、人工知能へのニーズもどんどん変わっていくだろう。それだけに、企業側としては「どう使ったらいいのかわからない」というのも本音ではないだろうか。今井氏は、こうした企業の懸念に対して、次のようにこたえる。

「データの活用方法、ディープラーニングに必要な教師データの作成など、一般のお客様にとっては、AIの利用はまだまだ敷居が高いのが現実です。そこで富士通では、実証検証(PoC)も含めたコンサルティングで何ができるのかを見極めるところから、システム導入の支援、システム構築、さらに作ったあとの運用・保守までをトータルでサポートします」(今井氏)

いまは「第三次人工知能ブーム」といわれている。第一次、第二次の人工知能ブームは、あくまでブームとして盛り上がり、沈静化していったが、今回はどうやら本物のようだ。
すでに、囲碁や将棋の世界では、人間は人工知能に勝てない。ガンの早期発見や治療に人工知能を活用する例もある。コールセンターの音声応答で人工知能が使われるのは、当たり前になりつつある。すでに、人工知能によって我々の社会は変化しているのだ。
だからこそ、「人をサポートし、人とともに成長していくAI」「Human Centric AI」を標榜する富士通Zinraiへの期待は大きい。ビジネスの変革、成長を目指すすべての企業にとって、Zinraiはともに未来を切り開くパートナーとなりうる人工知能といえるだろう。

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