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モバイルアプリ開発最前線(前編)
モバイルアプリ開発に必要な最新テクノロジー

 

6月23日、富士通主催のセミナー「K5 Tech Talk」の第三回が開催された。テーマは「モバイルアプリ開発」だ。富士通のモバイルアプリ開発ツールの詳細な説明とともに、モバイルアプリ開発の経験豊富なアシアル株式会社株式会社ジェナの2社から、モバイルアプリ開発の技術面およびビジネス面での最新動向と課題が語られた。前編では、アシアルの取締役 塚田亮一 氏のセッションから、テクノロジー面での最新動向をレポートしよう。

モバイルアプリ開発のニーズの変化と課題

アシアル株式会社 取締役 塚田亮一 氏

アシアルは2002年創業の東京に本社を置くモバイルアプリ開発を得意とする会社だ。日本でiPhoneが発売されて以降、モバイルアプリ開発に注力し、特にフロントエンドの開発を得意としている。

同社は、モバイルアプリのフロントを開発する「Monaca(モナカ)」というツールを開発した企業としても知られる。Monacaは、日本で最も普及しているアプリ開発基盤で、約18万人の開発者が利用し、Monacaによって世に送り出されたアプリは7万数千個にのぼる。

同社のマーケティング担当の取締役である塚田亮一 氏は、モバイルアプリ開発のニーズがアプリそのものを販売するアプリビジネスから、企業と顧客の関係性を強めるSystems of Engagement(SoE)のアプリ、そして業務系・勘定系などのミッションクリティカルなSystems of Record(SoR)を担うアプリの開発にシフトしていると指摘。そのうえで、現在のモバイルアプリ開発の課題について次のように説明した。

「課題の1つはiOS、Android、Windowsという複数のOSに対応しなければならないことです。OSが異なれば開発言語も開発環境も異なります。さらに、各OSのアップデートが早く、それを前提とした開発が必要です。エンジニア、UI/UXデザイナーの不足も深刻です。企業はこうしたエンジニアを手放さないので、外に出てくることはほとんどありません。端末が進化して、新しい技術が次々に出てくるので、それに対応することも求められます」(塚田氏)

そして、塚田氏は「これらにすべて対応できるエンジニアを育てることは大変です」と強調する。そこで同社が注目したのがHTML5だ。

モバイルアプリの開発に最適なWeb標準技術「HTML5」

HTML5は、2014年に正式勧告されたHTMLの最新バージョンだ。従来のHTML4を改善し、よりシンプルな記述で高度なWebアプリケーションを開発できるようになったことで、注目を集めている。HTML5によって、前述したモバイルアプリ開発の課題も克服できる。

「HTML5を利用すれば、WebブラウザさえあればどんなOSでも動くクロスプラットフォームのモバイルアプリを開発できます。また、Webの標準技術なので、覚えた技術をさまざまなところで活かせます。技術的なロックインがないので、エンジニア育成という点でもリスクは低いといえます」(塚田氏)

ただ、HTML5に関しては、2012年に米国のイベントでFacebookのCEOであるザッカーバーグ氏が「HTML5に賭けたのは失敗だった」と述べて、Facebookのアプリをネイティブ化したことが話題になった。このため、いまだにHTML5に否定的なイメージを持つ人もいるようだ。しかし、塚田氏は「それはもう5年前の話です」と、次のように述べる。

「当時、ザッカーバーグ氏が言ったのは『タイミングが悪かった』ということです。彼は、HTML5の筋はいいけれど環境が整っていなかったと言っているにすぎません。当時のHTML5では機能に制限があり、十分なパフォーマンスが出なかったため、ネイティブアプリを開発したのです。しかし、あれから5年が経過し、機能とパフォーマンスの問題はすでに解決されています」(塚田氏)

Cordovaとは何か? Monacaとは何か?

塚田氏が指摘するように、HTML5を使った開発は大きく進化している。特に「クロスプラットフォーム開発ツール(CPTツール)」と呼ばれる開発環境の進化が目覚ましい。

このCPTツールで、現在、最もシェアを獲得しているのがCordova(コルドバ)だ。Cordovaは、HTML5、CSS3、JavaScriptなどのWeb標準技術でモバイルアプリを開発できるオープンソースのツールだ。Cordovaを使うとアプリ本体はHTML5で実装し、ネイティブ形式でアプリを配布することができる。さらに、プラグインで機能を拡張することも可能だ。

「HTML5だけでできないことも、プラグインで機能拡張できます。たとえば、iOSのHealthKitを使ったり、Bluetoothを利用したりすることが可能です。Cordovaのサイトには、2000を超えるプラグインがオープンソースとして公開されていますので、開発者はそこから自由に選んでアプリに組み込むことができます」(塚田氏)

このように、2012年にザッカーバーグ氏が指摘したHTML5の機能制限は、すでに解消されている。さらに、パフォーマンスについてもまったく問題ないと、塚田氏は次のように述べる。

「ここ数年、端末のスピードが速くなり、さらにAndroid 4.4でWebViewがChromiumになって以降、パフォーマンスはかなり改善されました。さらに、弊社が開発したOnsen UIのように、HTML5でネイティブアプリのようなUIを簡単に作れるツールが登場したことで、モバイルアプリに必要なフラットデザインやマテリアルデザインを簡単に設計できるようになったことも大きいと思います」(塚田氏)

そして、同社が開発したMonacaは、Cordovaを内包し、UIを設計するOnsen UIも含まれたHTML5のモバイルアプリ開発基盤ということになる。

なお、Monacaはあくまでモバイルアプリのフロント、つまりスマートデバイス側で動くアプリを開発する基盤だ。現実の開発では、ここにデータベース等のサーバサイドの開発が組み合わせることになる。

ここで活躍するのが、富士通のIaaSであるFUJITSU Cloud Service K5、およびK5上で利用できるFUJITSU Cloud Service MobileSUITE、FUJITSU Cloud Service Smart Biz Connectなどのクラウドサービスということになる。もちろん、Monacaは富士通のK5との連携も可能となっている。

大手企業からNPOや個人まで幅広く対応できるMonacaによるモバイルアプリ開発

すでに多くのユーザーを持つMonacaだけに、大手企業から中堅中小企業、NPOや個人のユーザーまで、その活用事例も数多い。ただし、塚田氏は「Monacaらしさを実感できるのは、ライトなシステムをスピーディに開発している事例でしょう」と述べて、いくつかを紹介した。

「ある衣料品卸の会社は、営業とバイヤーがコミュニケーションできるチャットアプリを開発しました。仕入れた商品の画像を営業がアップし、それを気に入ったバイヤーと一対一でチャットできるアプリです。開発者は1人で開発期間は2~3ヶ月です。リリース後は、約3ヶ月でアプリ経由の売上が2000万円を達成しました」(塚田氏)

また、社内にアプリ開発の専用部隊を設け、出退勤管理などの業務アプリを次々に内製で開発している大手企業、150以上の公園を管理するアプリを開発者1人で作った社員3名のNPO法人など、ユニークな事例が紹介された。

こうした事例からは、企業におけるモバイルアプリへのニーズの高まりが強く感じられる。塚田氏も、最後に次のように述べて、今後のモバイルアプリ開発への期待を語った。

「現在、多くの企業でモバイルアプリへのニーズが高まっています。新しいアプリを開発したり、既存の業務システムをモバイルアプリに拡張したりする動きが活発化しているのです。これらのニーズに応えるために特殊な技術を覚える必要はなく、Webの標準技術だけで対応できます。すでに一部のユーザーはそれに気づき、自分たちで開発したり、新しいパートナーを見つけたりしています。モバイルアプリ開発にチャレンジするなら、まさにいまがチャンスだと思います」(塚田氏)

iOS、Android向けネイティブアプリ開発「Monaca」

Monaca : 20万人が使うハイブリッドアプリ開発環境

Monacaは20万人の開発者が使う国産のHTML5モバイルアプリ開発プラットフォームです。
Web標準言語でiOS、Android向けネイティブアプリの同時開発を実現します。

(注)掲載の内容は取材時の情報です。

掲載日:2017年8月29日

関連リンク

  • アシアル株式会社 : Monaca、Onsen UIを始めとするスマートフォンアプリ開発支援ツールの提供および技術サポート、トレーニング、システム開発を行う
  • 株式会社ジェナ : スマートフォン・タブレット向けのモバイルアプリ開発、AI/IoT/ロボットなどの新しいテクノロジーを活用したアプリ開発

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