富士通

FUJITSU MetaArc Marketplace

close

モバイルアプリ開発最前線(後編)
モバイルアプリ開発ビジネスの最新事情

 

富士通主催のセミナー「K5 Tech Talk」では、法人向けのモバイルアプリを累計1000本開発してきた株式会社ジェナの代表取締役 手塚康夫 氏のセッションも行われた。後編では、同氏のセッションから、モバイルアプリ開発のビジネス面での最新動向と課題についてレポートする。また、モバイルアプリ開発における富士通の役割にも触れた。

急速に拡大する企業向けモバイルアプリ開発のニーズと開発者不足という課題

株式会社ジェナ 代表取締役 手塚康夫 氏

ジェナは2006年創業のベンチャー企業だ。日本でiPhone 3GSが発売された2009年以降、法人向けのモバイルアプリ開発ビジネスを展開してきた。現在は、1ヶ月に10本以上、累計では1000本以上のモバイルアプリを開発し、そのうち約7割が企業向けという国内では最大規模の実績を持つ企業である。同社を率いる代表取締役 手塚康夫 氏は、モバイルアプリへのニーズの変化を次のように説明する。

「我々がモバイルアプリ開発に取り組み始めた2009年~2010年ころは、電子カタログやアンケートなど、スタンドアロンのアプリがほとんどでした。それが、数年前からクラウドのデータを端末で閲覧するような、クラウドと連携するアプリが増えてきました。さらに現在は、社内システムと連携したいというお客様が急速に増えています。それにともなって、開発規模も大きくなり、2010年ころは数人月だったのが、現在は数十人月規模へと拡大しています。また、アプリ開発のプレーヤーも、我々のようなベンチャーや規模の小さい企業からSIerへと変化しつつあります」(手塚氏)

企業向けを中心に急速に拡大しつつあるモバイルアプリ開発市場だが、アプリを開発する側は、それに追随できているとはいいがたい。モバイルに特化した専門知識やノウハウを持つ人材・会社が絶対的に不足している。とりわけモバイルに精通したプロジェクトマネージャ、UI/UXデザイナー不足が深刻だ。

「モバイルアプリの開発では、モバイルデバイスの使い方を熟知したうえで必要な機能を提案し、プロジェクト全体を管理できるプロジェクトマネージャの役割が非常に重要です。また、開発にあたっては、限られた画面サイズで、かつタッチUIを前提にUI/UXをデザインしなければなりません。しかも、多くのユーザーはコンシューマ用の優れたアプリに慣れているため、少しでも使い勝手が悪いと、すぐに不満が出てしまいます。現在は、こうした要求に対応できるプロジェクトマネージャやUI/UXデザイナーが圧倒的に不足しています」(手塚氏)

モバイルアプリ開発のポイントはエコシステムの活用と「つくらないで、つくる」開発

市場は拡大しているものの、開発人材の不足という問題に直面しているのが、現在のモバイルアプリ開発の現状だ。では、モバイルアプリ開発そのものは難しいのか。手塚氏の答えは「ノー」だ。モバイルアプリ開発は、じつはそんなに難しくない。手塚氏はその理由をいくつか挙げる。1つはエコシステムの活用だ。

「現在のモバイルアプリ開発では、それぞれ得意分野を持つ複数の企業でプロジェクトをすすめるのが一般的です。たとえば、アプリ開発の企画・提案をする会社、我々のようなUI/UX開発を得意とする会社、バックエンドを開発する会社などです。そして、この中で工数の8割を占めるのがバックエンドの開発です。この部分は、じつは既存の技術・ノウハウで対応できます。したがって、バックエンドの開発に長けた会社は、残り2割を得意とする会社と組めば、モバイルアプリ開発は、それほど難しくはないのです」(手塚氏)

2つ目の理由が、モバイルアプリ、その中でも新しい技術と組み合わせたものは「小さく、素早く」作ることが多いからだ。最近ではモバイルとAI/IoTのような新しい技術を連携させたアプリ開発が増えてきており、そのようなプロジェクトではPoC(概念検証)を行い、低予算・短期間でプロトタイプを作って効果を確認するケースが多い。ただし、効果が確認できたら、それが大型プロジェクトにつながる可能性が高いので、プロトタイプを効率的に開発することが重要になる。そこで手塚氏が推奨するのが、「つくらないで、つくる開発」だ。

「フロントエンドもバックエンドも、クラウド上のPaaSのさまざまな部品を活用し、できるだけプログラムを書かないで作ることが重要です。さらに、Monacaのようなフロントを開発するツール、FUJITSU Cloud Service MobileSUITE、FUJITSU Cloud Service Smart Biz Connectのようなバックエンドを開発するツールをうまく活用して、"つくらないで、つくる開発"を実現することが重要です」(手塚氏)

これからでも遅くないモバイルアプリ開発へのチャレンジ

月に10本以上の企業向けモバイルアプリを開発しているジェナだが、特に最近増えているのが金融機関向けのモバイルアプリだという。しかし、同社は銀行向けのシステム開発は得意としていない。そこで、金融系システムを得意とするSIerと組んでプロジェクトを推進しているという。

「モバイルならではの機能をどうやって実装するかという要件定義、さらにUI/UXデザインなどを我々が担当し、実際のプログラム開発はSIerが担当しています。こうしたスキームで大型の案件を推進するケースは、今後もさらに増えると思います。また、モバイルアプリを開発する前段階のワークショップやブレインストーミングに参加したり、プロトタイプの開発を担当したりすることも少なくありません」(手塚氏)

企業におけるモバイルアプリの開発ニーズは、今後、さらに高まると予想される。そして、そのプロジェクトの多くは、手塚氏が指摘するように得意分野を持つ複数企業の共同作業となる可能性が高い。

したがって、現在、モバイルアプリの開発ノウハウを持っていなくても、あきらめる必要はまったくない。たとえば特定の業界に強かったり、データベースなどのバックエンドのシステム開発のノウハウを持っていたりするなら、ジェナのような企業と組むことで新しい可能性が開ける可能性は高い。最後に手塚氏は、次のように述べてセッションを締めくくった。

「これまで1,000本以上を開発してきた経験からいえるのは、モバイルアプリ開発はけっして難しくないということです。フェイルファスト、つまり早くチャレンジして失敗することによりPDCAサイクルを早くまわして継続的に改善し続けることが大切だと思います。ぜひ、企業向けのモバイルアプリ開発への一歩を踏み出していただければと思います」(手塚氏)

モバイルアプリ開発の約8割を占めるバックエンド開発を支援する富士通のクラウドサービス

モバイルアプリ開発では、バックエンドの開発が工数の大半を占める。つまり、バックエンド開発をいかに効率化するかが、モバイルアプリ開発の成否を左右する重要なポイントだ。

富士通が提供するFUJITSU Cloud Service MobileSUITE(以下、MobileSUITE)とFUJITSU Cloud Service Smart Biz Connect(以下、Smart Biz Connect)は、まさにそこをサポートするクラウドサービスである。いずれも、富士通の企業向けクラウド「FUJITSU Cloud Service K5」上で提供される。

MobileSUITEは、企業のモバイル活用を統合的に管理するサービスだ。端末、アプリ、コンテンツの管理機能を備え、モバイルアプリ開発に必要なサーバ機能を提供するmBaaS(mobile Backend as a Service)も備えている。具体的には、プッシュ通信やデータストア、ファイルストア、位置情報、会員管理/認証などの機能をモバイルアプリからAPI経由で呼び出して活用することが可能だ。

Smart Biz Connectは、銀行/流通業界向けに、よりサーバサイドの開発に特化したmBaaSを提供するサービスだ。モバイルアプリに必要なサーバ機能とK5専有仮想サーバを用いて、データベースを活用したセキュアなモバイルアプリを効率的に開発できる。

これからのモバイルアプリ開発では、得意分野の異なる複数企業の協業が重要となる。プロジェクト管理やUI/UXの設計などは、それを得意とする企業に任せ、バックエンドの開発はMobileSUITEやSmart Biz Connectを用いて効率化することは、プロジェクトを成功に導くために非常に理にかなった方法といえるだろう。

(注)掲載の内容は取材時の情報です。

掲載日:2017年8月29日

関連リンク

  • アシアル株式会社 : Monaca、Onsen UIを始めとするスマートフォンアプリ開発支援ツールの提供および技術サポート、トレーニング、システム開発を行う
  • 株式会社ジェナ : スマートフォン・タブレット向けのモバイルアプリ開発、AI/IoT/ロボットなどの新しいテクノロジーを活用したアプリ開発

ページトップ

公式SNSアカウント

ソーシャルメディアでシェアする

  • facebook
  • twitter

お気軽にご相談ください

WEB:
お問い合わせフォーム
TEL:
0120-933-200

富士通コンタクトライン(総合窓口)
受付時間 9時~17時30分
(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)

Copyright 1994 - 2019 FUJITSU