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「OpenStack Days Tokyo 2017」レポート
オープン×コラボレーション

国内最大規模のオープンクラウドイベント「OpenStack Days Tokyo 2017」(主催:OpenStack Days Tokyo 2017 実行委員会 、日本OpenStackユーザ会)が7月20日・21日の両日、東京港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された。

OpenStackはオープンなクラウド基盤としてプロジェクトの開発が順調に継続している。さらにここにきて大幅にデプロイ数も伸び、フォーチュン500企業の半数に採用されるなど、急速に進むアジャイル型開発への移行も呼び水となり、導入に拍車がかかっている。当然、開発技術者や運用技術者の関心も高く、東京は両日とも猛暑だったにも関わらず、OpenStack関連の最新の技術動向を収集するために、多くの参加者がセッション会場を埋めていた。

5回目の開催になる今回のOpenStack Daysのテーマは「オープン×コラボレーション」で、OpenStack Foundation COOのMark Collier氏に加えてCloud Foundry FoundationのDevin Davis氏もキーノート講演を行った。Collier氏は多くのOSSがコンポーザブルな点やクラウドネイティブであることで重要な役割を持つようになってきたことから、OpenStackも周辺OSSコミュニティとの連携が重視されることや、エッジコンピューティングがこれから重要分野になっていくことを語った。また、Davis氏はデジタルトランスフォーメーションとクラウドアプリケーションによって、大企業の開発サイクルがスピード化されたことを挙げ、これに対応するCloud FoundryのOpen Service Broker APIなどの取り組みに触れた。あわせて、OpenStackとCloud FoundryやOPNFVなど、各OSSのコミュニティとのコラボセッションも開催。そのほかにもDockerやKubernetesなどのコンテナ技術やDevOps、OpenFogなど関連技術を含め、昨年から大幅に増加した80のセッションが行われ、40社を数える出展ブースにおいても各社の最新の取り組みが紹介された。

本稿では、コミュニティを中心として活発化が進むクラウド技術の開発状況と現在のOpenStackを概観するために、当日のセッションから、富士通のスポンサー講演、Cloud Foundryの動向ならびに、コンテナ技術に関する発表から、注目セッションをレポートする。

「OpenStack Days Tokyo 2017」レポート 目次

  1. 「デジタル革新を支えるIT基盤へのベストプラクティスへの挑戦」~自社で実戦するOpenStackベースでのアジャイル型開発
  2. Cloud Foundryの魅力を語るパネルディスカッション
  3. Kubernetesの現在を知るパネルディスカッション

「デジタル革新を支えるIT基盤へのベストプラクティスへの挑戦」
~自社で実戦するOpenStackベースでのアジャイル型開発

富士通株式会社 プラットフォームソフトウェア事業本部 第二プラットフォームソフトウェア事業部 マネージャー 鈴木 透 の写真 富士通株式会社
プラットフォームソフトウェア事業本部
第二プラットフォームソフトウェア事業部
マネージャー 鈴木 透

鈴木は冒頭、FUJITSU Cloud Service K5(以下、K5)を説明した。

「K5はOpenStackやCloud Foundryなどのオープン技術と、富士通が培ってきたナレッジを統合して、新規ビジネスを早期に立ち上げられるクラウドサービスです。オープン技術の活用によってベンダーに依存しないオープンな環境と継続的な成長を可能にします。さらに、富士通のこだわりによる可用性、保守性などの品質保証と運用の透明性、説明性をあわせて提供しています」。

K5は、OpenStackベースのインフラストラクチャ上に、Cloud Foundryベースの開発・実行環境をCFというサービスとして提供するために、オリジナルのCloud Foundryで使われていたコンポーネントをOpenStackのコンポーネントに置き換えている。また、OpenStack Heatによりネットワーク構築とインスタンス配備を自動化している。この環境を利用し、富士通社内実践として、PaaS型モバイル活用基盤 FUJITSU Cloud Service MobileSUITEやその他のアジャイル型の開発を行い、その有効性を実証しているという。

続いて鈴木は、Cloud Foundryを利用したK5上での開発例として、保育園での利用を想定した「園児見守りサービス」を紹介した。

保育園内では各部屋のセンサーにより、園児の園内での行動を把握し、園児は装着したウエアラブル端末からリアルタイムに位置と健康状態を通知する。これらの情報から保護者は園児の状況を把握することが可能になる。加えて、登園状況にあわせて延長保育料の請求を行うといった保育園の運営業務の支援も行う。

PaaSの利用イメージは、園児のウエアラブル端末をIoTプラットフォームで把握し、この情報をクラウドネイティブ基盤とAPIマネジメント機能でマッシュアップし保護者のスマートフォンやタブレットに表示する。また、保育園の基幹業務は基幹業務基盤と帳票サービス、そしてビジネスサポート機能で対応するという形だ。

「園児見守りサービス」は、K5 CFサービスを展示会でデモするために作成された簡易的なものであるが、様々なPaaSサービスを組み合わせることで、ユーザーが目的とする機能を簡単に実現できることを示唆している。

園児見守りサービス PaaS 利用イメージ

OpenStackとCloud Foundryを使用した社内実践とユーザー事例

富士通は2015年に5年をかけて同社グループのインフラをK5へ移行すると発表し、2016年度末時点で全社で850システムのうち、263システムの移行を完了し、その知見と実践を蓄積している。また、社内実践として富士通沼津ソフトウェア開発クラウドセンターにおいて、OpenStack基盤を利用したベアメタル貸し出しサービスを実践している。最新版Ironicの機能評価を運用者・利用者目線で評価し、そのノウハウを運用・開発部門にフィードバックするとともに、OpenStackコミュニティに還元している。

鈴木はユーザーとの実践例として、CloudStack上の6台の業務アプリサーバを移行サービスUForgeをキーコンポーネントとしてOpenStackに移行した異種クラウド間の移行事例を挙げた。

「UForgeは移行元のVMイメージを単に移行するのではなく、稼働サーバをスキャンし、OpenStackやVMWareなど様々な配備先環境にあわせたイメージを生成する方式を取っています。このため、移行過程でファイルの取捨選択などが可能になります」(鈴木氏)。

既存システムのOpenStack移行に不安を感じている企業も少なくないだろうが、スナップショット領域も不要で移行元の負担も少なくて済むこうした移行事例が既に存在していることを示した。

お客様との実践例イメージ

運営面、技術開発面での積極的なコミュニティへの取り組み

富士通はOpenStackのコミュニティ活動を積極的に取り組んでいる。OpenStackの機能・使いやすさ・信頼性の向上を目指し、先に説明したK5の設計フェーズや運用フェーズ、先行開発で得られた成果や知見をコミュニティに反映している。

「コミット数の貢献度で世界6位と健闘し、2016年1月よりOpenStack Foundationの国内ただ一社のボードメンバーを継続しています」(鈴木氏)。

技術面の活動では、ベアメタルシステムの運用管理を仮想マシン並みに簡易化することを目指す。これまでにマルチテナントネットワーク、シリアルコンソール、カーネルダンプ採取を実現し、現在はSANからのシステムリブート機能、ベアメタル故障時の自動修復技術の開発で主要な役割を担っている。

また、モニタリング機能ではMonascaコミュニティでコアレビュワーを務め、OpenStack運用に必要なメトリックやログの収集、可視化の提案を行っている。

そのほかのソリューションでは、OpenStackの内部モジュールの応答時間、利用者のAPI呼び出しごとの基盤内処理時間を可視化するためのクラウド基盤内部動作の分析エンジンを開発するなど、多方面からの技術開発でコミュニティに貢献している。

幅広いOSSコミュニティへの支援

富士通はOpenStackコミュニティに加え、昨年はCloud Foundry Days in Tokyoのホストも務めるなどCloud Foundryのコミュニティにも積極的に参加を行う。同Foundationのシルバーメンバーとして活動しており、コミット数は国内一位だ。ビジネスの分野ではK5サービスにCloud Foundryを導入し、OpenStackとの整合性を実証している。

富士通はOpenStackをはじめとする様々なOSSコミュニティを支援するとともに、OSSを導入したいと考えるユーザーに対して、システムの規格、設計、構築、運用に関するサービスを提供している。

またK5以外に、オンプレミス向けにもOpenStackベースのプライベートクラウドを提供している。RedHat OpenStack PlatformとSUSE OpenStack Cloud対象の「OSSクラウド構築/運用支援サービス」と、Mirantis Cloud Platformを対象としたマネージドサービスがある。RedHatとSUSE向けには富士通製品とサービスを連携させたOpenStack リファレンスアーキテクチャを提供。これは富士通の検証済みハードウェアの上にOpenStack管理システムを載せた垂直統合商品で、システム全体をワンストップで提供している。

当日の講演資料をダウンロードいただけます。

富士通株式会社のスポンサーセッション「デジタル革新を支えるIT基盤へのベストプラクティスへの挑戦」~自社で実戦するOpenStackベースでのアジャイル型開発 の講演資料を下記よりダウンロードいただけます。

 

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