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「OpenStack Days Tokyo 2017」レポート
マイクロサービス時代のコンテナ運用管理ツール
Kubernetesの現在を知る
パネルディスカッション

OpenStack Days Tokyo 2017では、マイクロサービス時代を迎え、コンテナ関連のセッションが多数実施されたが、コンテナの運用管理(オーケストレーション)ツールとしてKubernetesに関するセッションも参加者の関心が高かった。ブレークアウトセッションの「Yahoo! JapanにおけるOpenStack on Kubernetes導入までの道のり」では、9万以上の仮想マシンをOpenStackで動かしているヤフーがクラスタ提供にかかる膨大な運用負荷を解決するためにOpenStackのコンポーネントをKubernetes上に移行した経験を語り多くの聴講者を集めていた。

本稿では、7月21日に行われたKubernetesのパネルディスカッションの模様を中心に紹介する。パネリストは、前述の講演で登壇したヤフーの北田駿也氏、ネットワーク保守の経験が長くOpenStack、Kubernetesともに一年程度の使用経験なのでここでは運用目線で話すというNTTコムウェアの平井晋氏、そしてGoogleでKubernetesエバンジェリストを務めるIan Lewis氏。Kubernetes経験の内容も長さも異なる3人が並び、コーディネーターはCNCF(Cloud Native Computing Foundation)のボードメンバでもある富士通の亀澤寛之が務めた。

パネルディスカッション:コンテナが変えるクラウド

[写真]コーディネータ:(左端)富士通株式会社 亀澤 寛之、パネリスト:(左から)ヤフー株式会社 北田駿也氏 / NTTコムウェア株式会社 平井晋氏 / Google Cloud Platform Ian Lewis氏(Kubernetesエバンジェリスト) コーディネータ:(左端)
富士通株式会社 亀澤 寛之
パネリスト:(左から)
ヤフー株式会社 北田駿也氏、NTTコムウェア株式会社 平井晋氏
Google Cloud Platform Ian Lewis氏(Kubernetesエバンジェリスト)

コンテナを活かすKubernetesの現状と今後への期待について、亀澤は今回のディスカッションテーマとして以下の4つを挙げた。

  1. コンテナの向いているところ、向かないところ
  2. Kubernetesのいいところ、苦労するところ
  3. Kubernetes1.6/1.7
  4. Kubernetesコミュニティと日本

これに対するパネリストたちの意見をまとめると、下記のとおりであった。

1. コンテナの向いているところ、向かないところ

コンテナの向き不向きに関して、長所としてはビルド環境をパターンとして何度も使える再現性が挙げられた。特に向いているのはステートを持っていないアプリケーションなどの単発のジョブなどが扱いやすい。大量のインスタンスを作っている状況でのハードウェアリソースの削減にも有用だという意見があった。一方、データを持っているアプリケーションの管理はまだ難しい面があり、従来VMごとに行っていたモニタリングやロギングをコンテナ運用にあわせた方法に変えていく必要がある。

2. Kubernetesのいいところ、苦労するところ

Kubernetes の長所と短所については、Kubernetes機能を使ってOpenStackを運用する立場からは、運用することで簡単化できる部分が挙げられた。自分で使っているからプロダクションレディだと思うが、顧客提供を考えるとまだ検証が必要だろうとの意見が出た。最新版では認証や監査の機能も充実してきている。また、データベースはどうするのかという質問に対し、パネリストからは、データベースの取り扱いに課題があるが、あらゆるワークロードに対応することを目指しているため、いずれはレガシーなデータベースの扱いも解消されるだろう。また、クラウドネイティブ向けの新世代のデータベースにも注目してほしいというコメントがあった。

3. Kubernetes1.6/1.7

新バージョンのVer.1.7については、ステートフルセットのローリングアップデートが追加された点は評価できるという意見があった。また、他の非標準の計算リソースに対しカスタマイズしたAPIをKubernetesに組み込む サードパーティーリソースも面白いという意見があった。

4. Kubernetesコミュニティと日本

Kubernetesコミュニティへの参加企業のコミットは、1年前はGoogleが大きな割合を占めていたが、今は3分の1程度に減少し、コミュニティとして健全化してきており、OSSとして成長している。日本でもミートアップなどを開催すると盛況で興味を持っている人は多いが、日本語情報も少なく、ハンズオンで教えられる人自体が少ないので、触っている人が今回のようなイベントのスピーカーを経験してコミュニケーションリーダーが増えていってほしいなど、活発な意見交換が行われた。Kubernetesについて国内ではまだ興味先行だが、すでに有効利用が可能な段階にきている。このディスカッション前日の20日にはコンテナの標準化に向けたOpen Container Initiative 規格の1.0もリリースされ、今後のコンテナ、そしてKubernetesの発展と普及が期待される。

「Kubernetesとエコシステム」~Kubernetesを前進させるOSSツール群

富士通株式会社 プラットフォームソフトウェア事業本部 亀澤 寛之 の写真 富士通株式会社
プラットフォームソフトウェア事業本部
亀澤 寛之

「Kubernetesとエコシステム」と題するセッションでは、富士通の亀澤寛之が、Kubernetesと強い関連を持つOSSツール群を紹介した。

Kubernetes と関連のOSSプロジェクトを支援するCloud Native Computing Foundation(CNCF)は100社が協賛しており、現在10のOSSプロジェクトを推進している。そのなかでもKubernetesは巨大で、Linuxのようなオープン標準を目指しているが、他のOSSもKubernetesと組み合わせることによって、マイクロサービスの提供や運用の利便性を上げることができる。セッションで名前が挙がったOSSプロジェクトのいくつかを紹介しよう。

  • Prometheusはクラウドモニタリングソフトで、ハードやVM監視特化ではなく、任意のサービスを監視、対応した統計情報APIからデータ収集できる。Kubernetesのイベントと同期した情報収集についても開発中だ。
  • GRPCはhttp/2ベースのRPCフレームワークで、Protocol Buffersで値をやり取りする。同期・非同期量モードをサポートし、ロードバランシングのフレームワークなども組み込まれるなど、機能拡張が進んでいる。
  • Linkerdはサービスメッシュと呼ばれる技術を実装し、マイクロサービスのサービス間通信をコントロールする。
  • OpenTracingは様々なトレース解析器に対応可能なトレースポイントを設置するライブラリ。Go、JavaScript、Java、Python、Rubyなどの言語と、Zipkinなどのトレーサーを広くサポートしている。
  • CoreDNSはKubernetesと連動できるDNSサービスで、高速かつ柔軟なDNSサーバを構築できる。
  • containerdは以前のDockerエンジンのコア部分で、ノードローカルのコンテナ管理OSS。CNCFに寄贈された。

他に関連プロジェクトとして、HelmやROOK、Istioなども有力だ。こうしたソフトウェア群とともにエコシステムを構築することで、Kubernetesはコンテナのオーケストレーションツールのスタンダードとして、より強力に進歩、普及していくことが期待されると亀澤は語った。

富士通株式会社の取り組みについてもご紹介しています

富士通株式会社のスポンサーセッション「デジタル革新を支えるIT基盤へのベストプラクティスへの挑戦」~自社で実戦するOpenStackベースでのアジャイル型開発 の講演内容を下記よりご覧いただけます。

掲載日:2017年8月10日

(注)掲載の内容は取材時の情報です。

 

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